競泳の池江璃花子選手の白血病の公表には驚きました。
なぜこの時期に⋯、どうしてあの天才スイマーが⋯。ニュースを知った人はそう思ったことでしょう。
白血病についてほぼ何も知らなかったのでこの機会にと思い、合わせて骨髄バンクドナー登録についても調べてみました。
まずは白血病から。
- 白血病とは血液のガンである
- 白血病は大きく分けると、「急性白血病」と「慢性白血病」があり、さらに「骨髄性」と「リンパ性」に分けられる
- 治療の第1選択肢は「分子標的薬」(慢性期の場合)
- 根治させるには骨髄移植しかない
慢性骨髄性白血病(CML)と向き合う | 種類別がん情報 | がんを学ぶ
白血病は近年「治る病」になりつつあることもわかりました。
白血病=治らない病と思い込んでたけど最近の治療の進歩はすごいですね。
でも根治させるには相変わらず骨髄移植(造血幹細胞移植)しかない。
それで、この「造血幹細胞移植」だけど現状は、
https://www.jdchct.or.jp/data/slide/2016/transplants_2016_JDCHCT_20170324.pdf
非血縁者間で年間2,500例(2015年)も行われてるんですね。けっこう多いなあ⋯
造血幹細胞を提供する人=ドナーについても調べてみました。
- ドナーになるには身体的条件をクリアしないといけない(体重、年齢、既往歴など)
- 骨髄の採取は全身麻酔下で行うので痛みはない(麻酔が切れた後は痛みが強く出る人も)
- 骨髄採取の時の入院日数は4日ほどかかる(休業補償はなし)
ドナー登録するにもけっこう制限というか条件があることや入院日数(やその前の検査など)が思ったよりも長い。
こちらのブログには実際に骨髄を提供した体験が具体的に書かれていて、大変参考になりました。
その中で問題点を指摘されていて、
通院回数や、入院日数を聞いて辞退される方も多いらしく、移植を希望されている方の9割以上に適合者が見つかるようですが、実際に移植ができる人は6割前後しかいないようです。
つまり、3割前後の患者さんが、「適合者が見つかった!」という希望が見えた状態から、「辞退されてしまった……」と、地獄に突き落とされている状況です。
ただでさえ難病で弱っている人にとっては、精神的にかなり厳しいだろうと思います。
ドナー登録はしたものの(それだけでも偉いと思う)辞退してしまった人を責めるわけではないけど、辞退はなるべく避けたいかな。
かんたんな気持ちでは登録できないなというのが実感です。
入院日数や何度も病院に通う手間を考えると働いている人にはなかなかハードルが高い(休んでる間の補償もありません)。
この辺も、もう少し制度を考えるとか企業側の理解が進まないとドナーの負担が重すぎますよね。
それにしても「移植を希望されている方の9割以上に適合者が見つかるようです。」のくだりには驚きました。
そんなに適合するんだ!
(確率的には「非血縁者間では、数百から数万分の1の確率でしか一致しません。」
HLAとは? | 造血幹細胞移植情報サービス とのことです)
それにしても、池江璃花子さんの白血病の公表にはとても驚かされました。
Voicyでも森拓郎さんが「こんな悲劇ある?!」と言っていましたが、本当にどうしてこんなことがあるんだろうと思わずにはいられません。
しかし、池江さんの勇気ある公表によって多くの人が白血病と骨髄バンクドナーについて考えるきっかけになりました。
わたしもその1人です。
思い起こしてみれば15年ほど前、知人の娘さんが高校生の時に白血病で亡くなっています。
当時は骨髄バンクのことも知らなかったような気もしますが、「ああ、かわいそうに」で終わっていました。要するに他人事だったんです。
もし骨髄バンクのことを知っていてドナー登録していて、わたしの型が一致していたら⋯。
その娘さんは今も元気に生きていたに違いありません。
わたしを含む多くの人の無関心が白血病の人を死なせてしまっているかもしれないですね。
遅まきながらドナー登録について調べててそんなことを思いました。
それで肝心の、調べて知った後にどうするか?ですが⋯
登録自体は比較的かんたんにできるけど、いざ提供することになったら思ってたより大変そうというのが正直な感想です。
今回ドナー登録者の条件から現時点では外れていたんですが(最高血圧が条件を満たせてない)、情けないことにそのことにほっとしている自分がいました。
でも、どこかで自分の造血幹細胞を待ってる人がいるかもしれないと思うと、今後も提供について考えていこうと思っています。
それにしても池江さん!
病気の治療に専念できる環境が与えられることを願ってやみません。