生活保護制度の実情や生活保護を受けてる人に対する誤解ってあるよね〜って思ってたけど、この本を読んでスッキリしました。
新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学
「生活保護を受けてるやつがどんどん増えてけしからん!日本の財政がどうにかなってしまう」「安易に生活保護を受ける人が多い」みたいな論調があると思うんだけど、そういう意見を聞くたびに「え、そんなことある?」っていろいろ疑問に思ってました。
関連記事:生活保護の記事は炎上しやすい。
上記の本を読んだのをきっかけに調べてみたら、たしかに生活保護費の受給者世帯と受給総額は増えてるけども、国内総生産(GDP)に占める割合は1%にも届きません。
これは先進各国と比べたら数分の1レベルだそうです。
「保護費もらうやつ多くて困る。日本の財政が⋯」っていう人はこういう現状を知らないんではないかな。
日本の生活保護の捕捉率(利用率・生活保護を利用する資格のある人のうち現に利用している人の割合)は極端に低いっていうこともあまり知られてないように思います。
生活保護を利用する資格のある人のうち現に利用している人の割合(捕捉率)は2割程度にすぎません。
残りの8割、数百万人もの人が生活保護から漏れているのです。
わたしの住んでる地域でも月2〜3万(らしい)の国民年金で生活してるおじいちゃん、おばあちゃんがいます。
生活保護を受けたら暮らしが楽になるだろうけど、田舎なんで家さえあれば畑で野菜を育ててれば何とか暮らせなくもないし、プライド(世間体)もあるだろうし、そもそも生活保護制度を知らないんじゃ?という事情があるかもしれません。
というわけで、
- 日本にはほんとは保護費をもらってもいい人たちがいっぱいいる(「もらう」という表現も変だけど)けど、もらってない人が大半
- 生活保護の支給総額は日本全体で見たら大した額じゃない(むしろ、とんでもなく少ない)
というわけです。
日本人は(良くも悪くも)我慢強いと言えるでしょう。
あと、よくネットで話題になる「生活保護費もらいすぎ、金額が多すぎ」っていう意見についてはどうでしょう?
これについては節約が身に染み付いてるせいか、わたしも「そうだなあ」と感じずにはいられません。
住んでる場所によって金額に違いはあるけど、各種税金・社会保険料が免除されて医療費も無料、住居費も実質無料で月額7〜8万円(単身者)の支給額なら余裕で暮らしていけるっしょ、何なら貯金もできちゃうよって思います。
自分が質素すぎるんだろうか⋯。
関連記事:生活保護費で暮らせるか問題。
以上のことから、生活保護制度については、
- もっと気楽に利用できるようにしてほしい(受給までのハードルが高い、世間の偏見がひどい)
- ただし、支給額は現状より減らしてもよい
って考えてます。
より広く浅く多くの人に行き渡ってほしい。
実際、この本でもそのことに触れられてました。
もうちょっと多くの人が気楽に利用できる制度になったら、安心して貧乏になれる(?)んだけどなあ。
生活保護制度のみならず他の「思い込み」についても、事実に基づいて話をしてくのが大事だなと思わされる本でした。
新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学
「事実」の大切さについてはこちらの本がおすすめですね。
今年話題の書でした。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
[今日のラン]5:37/kmで8.1km
寒くて走るのどうしよう⋯って思ったけど、思う存分寝正月するためにがんばって走りました笑
年内は(天気のいい日は)走るぞ!